どうも、ねこ株リーマン(@alainyd)です!三井物産、配当は死守しました!
三井物産決算発表速報(2020年3月期)
決算速報
決算速報です!赤いマーカーで囲ったところに注目してください。
三井物産の2020年3月期の当期純利益は3,915億円(前年度比▲5.5%)でした!
20年2月時点の予想4,500億円を下回りましたが(進捗率87%)、3月27日のニュースリリースで示唆されていた通りの結果となりましたね。リリース | 2020年3月期の当社業績予想について - 三井物産株式会社
ただ、基礎営業CFが予想を上回る結果だったように、三井物産のキャッシュを生み出す力は底堅いと言えますね。
本日の株価
決算発表された13:30には減損織り込み済みだったのか一時急騰しましたが、30分も立たないうちに落ち着きを取り戻しました。21年3月期の利益予想が1,800億円(▲55%)と発表されましたからね。前日比−1.92%で本日は引けました。
セグメント別増減要因
続いて、セグメント別に要因を見てみましょう。
当期利益▲227億円のうち、
- エネルギー▲360億円
コロナショックおよびOPEC協調減産破断による資源価格下落の影響が大きいです。
20年度通期の製品市況前提を原油$63/bbl、天然ガスは2.53$/mmBtuと置いていましたので、大きな減損要因となっていますね。
- 金属資源+161億円
豪州鉄鉱石事業において鉄鉱石価格上昇が追い風となったようです。
- 化学品+171億円
昨年度の米国化学ターミナル事業での損失の反動、特殊要因ですね。
要素別増減要因
要素別に分解してみましょう。
- 減損損失▲750億円
上の図で赤いマーカーで囲った部分が減損(評価損)です。原油などエネルギー比率の高い三井物産はエネルギー市況下落によるダメージが大きいですね。
- 基礎収益力▲310億円
化学品、食料・流通、鉄鋼製品などとありますが、米中貿易摩擦による景気失速やコロナショックなどが影響していますね。
- 資産リサイクル+460億円
資産入れ替えによる資産売却益などで、上記の減損の一部をカバーした(し切れていないけど)形になっています。
三井物産 2020年3月期の配当
気になる配当は…年間配当額80円を死守しました!さすがの有言実行ですね!
当期純利益が5.5%の減益の中で、配当性向はなんと50%!三井物産の底力には脱帽です🎩
株主の皆さんおめでとうございます🎉㊗️
三井物産 2021年3月期業績見通し
2021年3月期業績見通し概要
21年3月期の業績見通しは、当期純利益は1,800億円(前年度比▲54%)という発表です。
やはり新型コロナウイルスの影響から大幅に落ち込む見込みです。
増減要因
要素別に増減要因を見てみましょう。
- 基礎収益力▲910億円
コロナウイルスの影響による非資源分野での失速が主要因との見通しです。
- 資産リサイクル▲660億円
前期反動、つまり20年3月期に得た資産売却益が今年度は見込まれていないということです。
- 市況・為替▲1,160億円
鉄鉱石などの金属資源、原油・ガスなどのエネルギー資源での製品市況低迷が足を引っ張るという見通しです。やはり資源比率の高い三井物産特有の要因と言えますね。
21年3月期の市況前提
ちなみに、21年3月期の市況前提は原油$67/bll→$33/bll、 天然ガス2.53→2.15$/mmBtuと置いているようです。
この前提条件を大きく上下することになれば、三井物産の21年3月期決算の変動要因となるわけですね。
新中期経営計画
本日5/1に決算発表と同じく新中期経営計画も発表されました。
早速、三井物産が描く今後の経営戦略を見ていきましょう。
定量目標
23年3月期の当期純利益は4,000億円の見通しです。コロナウイルスの影響もあり21年3月期1,800億円は大きく落ち込む見通しではあるものの、20年3月期の水準まで回復させることを目標としているわけですね。
また、20年3月期から23年3月期にかけての非資源比率を高めることも目標としています。
当期利益では41.6%➡︎60.0%
営業CFでは26.6%➡︎45.5%
株主還元方針
20年3月期の年間配当額であった80円/株を下限とし、一株当たりの基礎営業キャッシュフロー向上を通じた配当の安定的向上を目指すという方針ですね。
要するに、
新型コロナウイルスの影響で先行きが不透明過ぎて何とも言えないけど、80円/株は何とか頑張ります!
景気が回復して本業で稼ぐキャッシュがうまく循環するようになれば、累進配当も検討するけど、現時点ではコミットメントできないよ!
ということですね。
三井物産 経営指標分析 2020年3月期
16年3月期は資源市況の暴落により、赤字転落となった年でしたが、その後は息を吹き返し、安定した利益水準を保っていました。
FCFについては19年3月期は前期からのずれ込みとIHH(マレーシアの民間病院グループ)への追加出資により投融資が拡大したことからFCFがマイナスとなりましたが、20年3月期は伊藤忠商に次いで2位の4,500億円でした。
ROEは伊藤忠16.7%、三菱商事10.5%(20年3月期)に水をあけられています。
ROAも伊藤忠4.6%、三菱商事3.0%(20年3月期)に差を広げられており、効率性に関しては改善の余地がありそうです。
配当性向に関しては、5大総合商社各社の直近5年の配当性向平均は三菱商事32.8%、伊藤忠27.1%、三井物産32.6%、住友商事22.8%、丸紅26%であり、三菱商事と三井物産は相対的に高い配当性向を維持しています。
総合商社各社の平均配当利回り(過去5年)は三菱商事3.9%、伊藤忠3.7%、三井物産4.4%、住友商事2.2%、丸紅4.4%となっています。三井物産は年々配当利回りを高めており、今後も高配当銘柄としての活躍が期待されます❗️
さいごに
✔︎ 20年3月期は当期利益3,915億円(前期比▲5.5%)の決算結果!
✔︎ 配当方針は20年3月期の年間80円/株を下限とする強靭な営業CF体制に支えられた方針
✔︎ 資源比率の高い事業ポートフォリオの再構築が今後の経営課題
5大総合商社決算まとめ(2020年3月期)
総合商社ビジネスモデル
三菱商事
伊藤忠商事
住友商事
丸紅
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